このセクションでは、C++test Eclipse 版 (スタンド アロンおよびプラグイン版) で C++test プロジェクトを作成する方法について説明します。プロジェクトを作成するには、Eclipse の一般的なプロジェクト インポート機能を使用するか、独自のプロジェクト ファイルを処理するための C++test 固有のモジュールを使用します。C++test は次の種類のプロジェクトをサポートします。
- スタンダード make ベース プロジェクト
- Eclipse マネージド make プロジェクト
- Green Hills Software プロジェクト
- IAR Embedded Workbench プロジェクト
- Keil uVision プロジェクト
- Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0 プロジェクト
- Microsoft Visual Studio 6 プロジェクト (.dsp)
- Renesas High-performance Embedded Workshop プロジェクト
- TI Code Composer Studio プロジェクト
- Wind River Tornado プロジェクト
以下の演習は、サポートされるコンパイラが利用可能であること、および ATM Example プロジェクトを適切なディレクトリにコピー済みであることを前提とします。
この演習の目的
C++test プロジェクトを作成してコード解析を実行します。標準的な make ベースのプロジェクトを使ってテストを実行します。
演習 1: Make ベースのビルドからプロジェクトを作成する
- C++test を起動するか Eclipse を表示し、C++test パースペクティブに切り替えます。
- スタンダード Make プロジェクトを新規作成します。次の操作を行います。
- [ファイル] メニューの [新規] > [プロジェクト] をクリックします。
- [C/C++] > [C++ プロジェクト] を選択します。
- [次へ] ボタンをクリックします。プロジェクト ウィザードが開きます。
- [プロジェクト名] フィールドに「ATM」と入力します。
- [プロジェクト・タイプ] から [Make file プロジェクト] > [空のプロジェクト] を選択します。
- [デフォルト・ロケーションの使用] チェックボックスをオフにします。
- [参照] ボタンをクリックし、コピーした Example プロジェクトがあるディレクトリを指定します。この演習では、 プロジェクト ディレクトリのルートを Examples\ATM に設定します。 [終了] ボタンをクリックします。GUI 左側の [ナビゲータ] ビューに ATM プロジェクトが表示されます。
- ATM プロジェクト ノードを右クリックし、ショートカット メニューの [プロパティー] をクリックします。
- [Parasoft] > [C++test] > [ビルド設定] をクリックしてビルド設定を確認します。この設定を利用して、C++test は指定の makefile を使って make を実行し、プロジェクト ビルド オプションを収集します。 ビルド コマンドライン中の変数は、実際のコンパイラで置き換えられます。
- メイン ビルド ターゲットがデフォルトではない場合、またはデフォルト以外の コンパイラ リンカー変数を makefile で使用している場合、適切にビルド コマンド ラインを変更します。
-B スイッチに関する重要な注意事項
ビルド コマンド ラインには、GNU Make 3.80+ がサポートする -B オプションがあらかじめ設定されています。-B オプションはすべてのターゲットを無条件に make します。
以前のバージョンの make を使用している場合、プロジェクトを作成する前にビルドを消去してください。また、-k スイッチを削除しないでください。
-B をサポートしていない make を使用している場合は、コマンドを変更する必要があります。プロジェクト プロパティのデフォルトのビルド コマンドラインには、ターゲットがありません。解析対象コードをビルドするためのターゲットでコマンドラインを修正することを推奨します。
例:
make -i CXX=\${CPPTEST_SCAN} ... all
(all
がターゲット)
また、通常のビルド ターゲットの前に clean
ステップを追加します。
例:
make -i CXX={CPPTEST_SCAN} ... clean all
このようにすると、まず clean
ターゲットが作成され、次に all
ターゲットが作成されます。C++test から実行される make は、実際にはオブジェクト ファイルをビルドしませんが、clean
ステップは実際に消去します。
演習 2: 既存のプロジェクトをインポートする
C++test のプロジェクトは一度だけ作成する必要があります。作成したプロジェクトは、ソース管理システムにチェックインして共有できます。他の開発チーム メンバーはこの既存のプロジェクト設定を再利用できます。したがって、ほとんどの場合 C++test ユーザーが自分でプロジェクトを作成することはありません。ソース管理システムにチェックインされた既存のプロジェクトをインポートして使用します。
ヒント: 再利用可能なプロジェクトのファイルをチェックインする場合
再利用可能な C++test プロジェクトの場合、プロジェクトの場所に作成される次のファイルをチェックインします。
- .project (Eclipse プロジェクト定義)
- .cproject (Eclipse CDT プロジェクト定義)
- .parasoft (カスタマイズされた C++test プロジェクト設定。プロジェクト レベルあるいはファイル レベルで C++test の設定がカスタマイズされると、このファイルが作成されます)
既存のプロジェクトをハード ディスクからインポートするには、次の操作を行います。
- ナビゲーター ビューで ATM プロジェクトを右クリックし、[削除] を選択します。[ディスク上からプロジェクト コンテンツを削除] チェックボックスはオフのままにします。この操作によって Eclipse ワークスペースから ATM プロジェクトが削除されますが、プロジェクトの内容は (.project / .cproject / .parasoft ファイルと共に) ハード ディスクに残ります。 .project / .cproject / .parasoft ファイルがあれば、プロジェクトとしてインポートすることができます。
- [ファイル] メニューの [インポート] をクリックします。
- [一般] > [既存プロジェクトをワークスペースへ] を選択して [次へ] ボタンをクリックします。
- [ルート ディレクトリの選択] の [参照] ボタンをクリックし、インポートするプロジェクトがあるディレクトリを指定します。ここでは、ステップ 1 で C++test のナビゲータービュー上から削除した ATM プロジェクトが保存されているディレクトリを指定します。インポートするプロジェクトのチェックボックスをオンにします。
- [終了] ボタンをクリックします。[ナビゲーター] ビューにプロジェクトがインポートされます。
演習 3: ソース管理システム (CVS) から既存プロジェクトをインポートする
ソース管理システムとやり取りする Eclipse の機能を活用して、ソース管理システムからプロジェクトを直接 C++test にインポートできます。これは、Eclipse プラグインを提供するソース管理システムとのみ連携動作する IDE ベースの機能です。この演習を実行するには、演習を実行する Eclipse に CVS プラグインをインストールしている必要があります。CVS プラグインは、デフォルトの Eclipse (および C++test) ディストリビューションで提供されています。
- [ファイル] メニューの [インポート] をクリックします。
- [CVS] > [CVS からのプロジェクト] を選択して [次へ] ボタンをクリックします。
- ソース管理システムの情報を入力して [次へ] ボタンをクリックします。
- [指定したモジュール名を使用] フィールドにモジュール名を入力して [終了] ボタンをクリックします。
演習 4: 作成したプロジェクトの正しさをチェックする
- 出力の冗長レベルを設定します。[Parasoft] メニューの [設定] をクリックして、[Parasoft] > [コンソール] を選択し、[出力の冗長レベル] を [通常] に設定します。
- プロジェクト ツリーで ATM プロジェクトを選択します。
[Parasoft] メニューの [テストの実行] > [ビルトイン] > [Static Analysis] > [Parasoft's Recommended Rules] をクリックします。進行状況ダイアログが表示されます。チェックされたファイルの数が表示され、
コンソールログに違反のサマリがレポートされます。
コンソールログが表示されていない場合は、
[ウィンドウ] > [ビューの表示] > [コンソール]をクリックします。