はじめに
メインのプロジェクト ディレクトリで Jtest の Gradle 用タスクを実行することで、解析やテストを実行できます。マルチモジュール プロジェクトをテストする場合を除いて、解析の前に必ずテスト対象プロジェクトをビルドする必要はありません。マルチモジュール プロジェクトの場合は、コマンド ラインに build
または assemble
タスクを追加して、解析を実行する前にコンパイルすることを推奨します。そうすると、Jtest はローカル リポジトリの成果物を使用できるため、コードのテストおよび解析にかかる時間を短くできます。
また、マルチモジュール プロジェクトの場合、ルート プロジェクトに対してタスクを実行する必要があります。そうすると、Jtest はすべてのサブプロジェクトもテストまたは解析します。特定のサブプロジェクトをテストするには、ルート プロジェクトに対して Jtest タスク (jtest
、jtest-agent
、または affectedTests
) を実行し、個々のサブプロジェクトに対して Gradle の test
タスクを実行します。詳細については「単体テスト テストの実行とカバレッジの収集」を参照してください。
静的解析の実行
コードに対して静的解析を実行するには、次の操作を行います。
- Jtest Plugin for Gradle がセットアップ済みであることを確認します (「Jtest Plugin for Gradle の設定」を参照)。
jtest タスクを実行します。コマンドは次のようになります。
gradle jtest -I PATH/TO/JTEST/integration/gradle/init.gradle
Jtest Plugin for Gradle は、.json ファイルから必要なビルド データを収集し、指定したテスト コンフィギュレーションに従ってコードを解析します。
- 解析結果を参照します (「結果の参照」を参照)。
デフォルトでは、テスト ソースは解析から除外されます。テスト コードを解析対象にするには、excludeTestSources
オプションを無効にします。「Gradle 用 Jtest ゴール リファレンス」を参照してください。
単体テスト テストの実行とカバレッジの収集
Jtest レポートに単体テストの結果を含めるには、jtest タスクと jtest-agent タスク、および単体テスト用のビルトイン テスト コンフィギュレーション Unit Tests を使用してテストを実行します。
- Jtest Plugin for Gradle がセットアップ済みであることを確認します (「Jtest Plugin for Gradle の設定」を参照)。
次の順序で Gradle タスクを実行します:
- jtest-agent タスク
-test
(またはbuild
) タスクで単体テストを実行します。
- jtest タスク
コマンドは次のようになります。gradle clean jtest-agent test jtest -Djtest.config="builtin://Unit Tests"
デフォルトでは、Jtest は実行されたテストのカバレッジ データを収集します。カバレッジの収集を無効化するには、jtest.coverage.skip
オプションを有効にします (詳細は「Gradle 用 Jtest タスク リファレンス」を参照)。
マルチモジュール プロジェクトをテストする場合、デフォルトでは、Jtest はルート プロジェクトのすべてのサブプロジェクトのカバレッジ情報を収集します。特定のサブプロジェクトのカバレッジを収集するには、テストするサブプロジェクトに対して Gradle の test
タスクを実行するようコマンド ラインを変更します。コマンドは次のようになります。
gradle clean jtest-agent subproject1:test subproject2:test jtest -Djtest.config="builtin://Unit Tests"
org.junit.Assume (JUnit 4) または org.junit.jupiter.api.Assumptions (JUnit 5) クラスからメソッドを呼び出してテストをスキップすると、Jtest はメソッドが呼び出される前に実行されたコード行のカバレッジを収集します。このカバレッジ情報は、カバレッジ レポートのテストに関連付けられていません。
Jtest は、-parallel または --parallel オプションで有効化された Gradle マルチモジュール プロジェクトのパラレル ビルドのテスト カバレッジを収集します。詳細については、https://docs.gradle.org/current/userguide/performance.html#parallel_execution を参照してください。例:
gradle -parallel clean jtest-agent test jtest -Djtest.config="builtin://Unit Tests"
Jtest はパラレル テスト実行のカバレッジ収集をサポートしていますが、カバレッジは実行された各テストと正確に一致していない場合があります。
アプリケーション カバレッジの収集
Jtest のカバレッジ エージェントを使用すると、実行中のアプリケーションでの手動テストまたは自動テスト実行時にカバレッジ データを収集できます。Jtest でのアプリケーション カバレッジの収集については「アプリケーション カバレッジ」を参照してください。
テスト影響分析
Jtest Plugin for Gradle の機能を拡張してテスト影響分析を使用することができます。テスト影響分析を行うと、変更の影響を受けるテストだけを識別して再実行できるため、影響を受けない多数のテストを実行するのに必要な時間や手間を省くことができます。プロジェクトのテスト影響分析を行うには、以下が必要です。
- テスト影響分析プラグインを設定します。
affectedTests
タスクを実行します。
Gradle ビルド スクリプトを変更する必要はありません。
前提条件
- Jtest 10.4.1 以上
- Gradle 3.3 以上
- JUnit 4 または 5
テスト影響分析を実行するには、さらにメモリが必要になります。Gradle ビルドに割り当てるメモリを増やすことを推奨します。
Test Impact Analysis Plugin との統合
Jtest に付属の init.gradle
スクリプトを使用すると、Gradle のビルド スクリプトを変更せずにテスト影響分析プラグインと Gradle を統合できます。プラグインと Gradle を統合するには、-I
オプションを使用してコマンド ラインに init.gradle
スクリプトの場所を渡します。
gradle affectedTests test -I PATH/TO/JTEST/integration/gradle/init.gradle
プラグインの設定
テスト影響分析プラグインのプロパティを設定することで、POM ファイルまたはコマンド ラインからプロジェクトのテスト影響分析をカスタマイズできます。最低でも、実行時に Jtest が生成する以下のファイルへのパスを指定する必要があります。
coverage.xml
report.xml
利用可能なオプションの一覧については「Gradle 用 Jtest タスク リファレンス」を参照してください。
ビルド スクリプトでの設定
ビルド スクリプトで設定を宣言する際にプロパティを指定します。
affectedTests { referenceCoverageFile = 'path/to/coverage.xml' referenceReportFile = 'path/to/report.xml' runFailedTests = false runModifiedTests = true jtestHome = 'path/to/jtest' settings = 'path/to/jtestcli.properties' }
コマンド ラインでの設定
コマンド ラインでテスト影響分析をカスタマイズするには、-D
スイッチを使用してプラグイン プロパティを渡します。プロパティには "jtest" 接頭辞を付ける必要があります (「Gradle 用 Jtest タスク リファレンス」を参照)。コマンドは次のようになります。
gradle affectedTests test -I PATH/TO/JTEST/integration/gradle/init.gradle -Djtest.referenceCoverageFile="path/to/coverage.xml" -DreferenceReportFile="path/to/report.xml" -Djtest.runFailedTests=false -Djtest.runModifiedTests=true -Djtest.home="path/to/jtest" -Djtest.settings="jtestcli.properties"
affectedTest
タスクの設定と実行
これ以上の追加の設定なしでコマンド ラインから affectedTests
タスクを実行できます。必ず test
タスクの前に実行します。コマンドは次のようになります。
gradle clean affectedTests test -I PATH/TO/JTEST/integration/gradle/init.gradle
または、以下のように実行することもできます。
build.gradle
スクリプトでタスクの実行を設定します。build.gradletest.dependsOn affectedTests
Gradle の
test
タスクを実行します – 自動的にaffectedTests
タスクが実行されます。コマンド ラインgradle test -I PATH/TO/JTEST/integration/gradle/init.gradle
マルチモジュール プロジェクトの特定のサブプロジェクトに対して affectedTests
タスクを実行するには、テストするサブプロジェクトに対して Gradle の test
タスクを実行するようコマンド ラインを変更します。コマンドは次のようになります。
gradle clean affectedTests subproject1:test subproject2:test -Djtest.referenceCoverageFile=tia/coverage.xml -Djtest.referenceReportFile=tia/report.xml -I path_jtest\integration\gradle\init.gradle
テスト スイートの再実行
テスト影響分析は、テスト スイート内の少なくとも 1 つのテストがコードの変更の影響を受ける場合、テスト スイート全体を再実行します。そのため、影響を受けるテストと同じテスト スイートに含まれている場合、影響を受けないテストも実行される場合があることに注意してください。