このセクションの内容
はじめに
Data Learning ツールは、仮想アセットの範囲を徐々に拡張し、より幅広いユース ケースをカバーするために使用します。ツールはトラフィックを観察し、新たに観察されたデータをデータ リポジトリに追加することで、データ セットを自動的に拡張します。これにより、データ駆動型仮想アセットをすみやかに拡張することができます。アップデート プロセスは、完全に自動化することも (File Event Listener Marketplace ツールを使用して、新規データが検出されたら常に呼び出す)、必要に応じて開始することも (セットアップ アクションによって) できます。
前提条件
このツールを使用するには、バージョン 9.9.5 以降の Virtualize Server にアクセスできる必要があります。ツール自体は Virtualize 9.9.0 以降で動作します。
インストール
このツールは、datalearningtool.jar として実装されています。ツールは UI またはコマンドラインからインストールできます。
UI からのインストール
- [Parasoft ] > [設定] を選択し、[システム プロパティ] をクリックします。
- [Jar の追加] をクリックし、datalearningtool.jar を参照します。
- [適用] をクリックし、Virtualize を再起動します。
コマンドラインからのインストール
localsettings プロパティ ファイルの system.properties.classpath
プロパティに datalearningtool.jar を追加します。例:
system.properties.classpath=<path to jar>/datalearningtool.jar
使用方法
必要に応じてツールを呼び出したり、データ ラーニングを Continuous Testing Platform によるテスト環境のセットアップ プロセスに組み込んだりする場合、セットアップ アクションとしてツールを追加することができます。
.pvn ファイルをプロジェクト (セットアップ アクションの定義を参照) に追加し、[アクション スイート] ノードを右クリックします。
- [新規追加] > [アクション] をクリックし、アクションの追加ウィザードで [Data Learning Tool] を選択します。
- [終了] をクリックし、ツールを設定します (「Configuration」を参照)。
特定のトラフィック ファイル ディレクトリで追加または更新されたトラフィックが検出された場合、常に自動的にツールを実行するには、ツールを Message Responder の出力レスポンスに連結し、関連付けられた仮想アセットに File Event Listener (File Event Listener をダウンロードするには Parasoft Marketplace を参照してください) が設定されていることを確認します。File Event Listener の設定の詳細については、File Event Listener のドキュメントを参照してください。
どちらの場合も、ツールが呼び出されると以下の処理が行われます。
- 指定されたローカル ディレクトリをスキャンし、追加または変更されたトラフィック ファイルで、指定されたパターンに名前が一致するものを検出します。
- 該当するトラフィック ファイルが見つかった場合、指定された Virtualize Server を使用し、指定されたテンプレート ファイルの設定に従ってトラフィックを処理します。
- 識別されたデータを指定されたデータ リポジトリにインポートします。
設定
ツールは以下のオプションを使用して設定されます。
ソース トラフィックの設定
これらのオプションは、ツールがトラフィック ファイルを認識し、処理する方法を指定します。
トラフィック ファイルをスキャンするディレクトリ | トラフィック ファイルをスキャンするローカル ディレクトリを指定します。ディレクトリは Data Learning ツールへの相対パスで指定します。ツールが "VirtualAssets" にデプロイされた .pva ファイルにデプロイされている場合、"VirtualAssets" への相対パスになります。ツールが別のプロジェクトの .pvn ファイルにある場合、そのプロジェクトへの相対パスになります。 |
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トラフィック ファイル パターン | (任意) 上記のディレクトリにある特定のトラフィック ファイルだけを処理したい場合、処理対象とするトラフィック ファイルを示すパターンを指定します。ワイルドカードとして |
テンプレート ファイル | トラフィック処理のガイドとして適用する Virtualize の設定テンプレートの場所を指定します。ツールが "VirtualAssets" にデプロイされた .pva ファイルにデプロイされている場合、"VirtualAssets" への相対パスになります。ツールが別のプロジェクトの .pvn ファイルにある場合、そのプロジェクトへの相対パスになります。 |
文字エンコーディング | (任意) ツールの文字エンコーディングを指定します。デフォルト値は |
データの再利用 | (任意) テンプレート ファイルで指定されたデータ再利用設定を上書きしたい場合、再利用オプションを指定します。 |
リモート サーバー設定
以下のオプションは、トラフィック ファイルを処理する Virtualize Server を指定します。
リモート サーバーの使用 (デフォルト値: false) | ツールの設定で指定された設定を使用する場合、 |
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ホスト | トラフィック ファイルを処理する Virtualize Server のホストを指定します。 |
ポート (デフォルト値: 9080) | トラフィック ファイルを処理する Virtualize Server のポートを指定します。デフォルト値は |
ユーザー名 | Virtualize Server での認証に使用するユーザー名を指定します。 |
パスワード | Virtualize Server での認証に使用するパスワードを指定します。 |
アップロード パス (VirtualAssets からの相対パス) | 新規トラフィックの検出と処理に使用するファイルを Virtualize Server のどこにアップロードするかを指定します。ディレクトリは Virtualize Server の VirtualAssets プロジェクトへの相対パスでなければなりません。この設定はオプションです。 |
Data Repository 設定
以下のオプションは、新規/更新データのインポート先 Data Repository を指定します。ホストを指定しなかった場合、すべての Data Repository 設定が Source Traffic タブで指定されたテンプレートから取得されます。
ホスト | 新規/更新データのインポート先 Data Repository Server のホストを指定します。 |
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ポート | 新規/更新データのインポート先 Data Repository Server のポートを指定します。デフォルト値は |
ユーザー名 | Data Repository Server での認証に使用するユーザー名を指定します。 |
パスワード | Data Repository Server での認証に使用するパスワードを指定します。 |
ロギング
次のオプションは、記録されるログ詳細のレベルを指定します。
Log Level | コンソールと[モニターの開始] ビューに表示する情報の量を指定します。デフォルト値は .pva 内でツールを使用する場合、情報は Event Details パースペクティブにも出力されます。ログ レベルが |
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サンプルの実行
Marketplace から zip ファイルをダウンロードすると、いくつかのサンプル設定および Data Learning ツールの使用に関する演習が付属しています。サンプルは、ツールをツールとして直接セットアップ アクション (pvn) にデプロイする方法および仮想アセット (pva) のメッセージ レスポンダーに連結されたツールとしてデプロイする方法を示しています。
ツールの直接使用
- 以下のファイルをワークスペース内のプロジェクト (ProvisioningAssets など) にコピーします。
- DataLearner.pvn
- DataLearner_1.txt
- DataLearner_2.txt
- DataLearningExample.traffictemplate
- .pvn を Virtualize UI で直接、または CTP を使用して実行します。ツールはディレクトリのトラフィック テンプレートおよび DataLearner_*.txt トラフィック ファイルをスキャンし、ローカル ホストの Data Repository にデータをインポートします。
レスポンダーに連結されたツールの使用
- 次の HTTP パスを使用して Virtualize の仮想アセットとして DataLearner.pva をデプロイします。/DataLearner
- DataLearner 仮想アセットがデプロイされた Virtualize サーバーの VirtualAssets/traffic_files/ に DataLearner_1.txt および DataLearner_2.txt をコピーします。
- DataLearner 仮想アセットがデプロイされた Virtualize サーバーの VirtualAssets/traffic_templates/ に DataLearnerExample.traffictemplate をコピーします。
- (任意) DataLearner.tst の環境を更新して正しい Virtualize ホストを指すよう設定します。
- (任意かつ推奨) DataLearner 仮想アセットのモニタリングを開始します。
- DataLearner.tst を実行します。このテストは、HTTP 上で DataLearner 仮想アセットを呼び出し、連結された Data Learning ツールを実行します。連結されたツールは、手順 2 および 3 でコピーされたトラフィック テンプレートおよびトラフィック ファイルを使用します。
- Virtualize のイベント ログにイベントがレポートされ、処理完了時に traffic_files からトラフィック ファイルが削除されることに注目してください。
メッセージ プロキシを使用したトランザクションの記録
- メッセージ プロキシを作成し、接続を追加します (「プロキシの作成」を参照)。
- 固有のトラフィック ファイル パターン (%n) を使用するよう接続を設定し、[メッセージのペアごとに新規セッション ファイル] オプションを有効化します。
- プロキシ接続が記録されるディレクトリをスキャンするよう Data Learning が設定されていることを確認します。Data Learning ツール設定の相対パスは、ツールを含む .pva または .pvn への相対パスです。
- 通常どおりメッセージ プロキシを使用してトラフィックを記録します。
- Data Learning ツールを使用して、記録されたトランザクションを処理します。
Data Learning ツールのユース ケース
特定のリクエストへの応答方法を仮想アセットが判断できない場合、リクエストおよび実サービスまたはローカル サーバーからのレスポンスを記録し、データをデータ リポジトリに追加できます。次に仮想アセットが同じリクエストを受信したときは、適切なレスポンスが返されます。
ワークフロー
典型的なプロキシ設定では、接続は仮想アセットにリクエストをフォワードします。アセットがリクエストへの応答方法を知っている場合、関連付けられたリポジトリからのレスポンスがクライアントに返されます。
特定のリクエストへの応答方法を仮想アセットが判断できない場合、エラー メッセージがクライアントに返され、それ以上のアクションは実行されません。
リクエストおよびレスポンスを記録し、データ リポジトリに追加するよう Virtualize を設定できます (下の「設定」を参照)。次の概略は、仮想アセットに新規リクエストに応答する方法を「教える」全体的なプロセスを説明しています。
- 仮想アセットが応答に失敗します。
- プロキシのセカンダリ接続として設定された実システムにリクエストが送られます。
- クライアントにレスポンスが返され、リクエストおよびレスポンスがトラフィック ファイルに記録されます。
トラフィック ファイルの作成/更新により仮想アセットの File Event Listener が呼び出され、リスナーは Data Learning を持つレスポンダーを呼び出します。
Data Learning ツールはトラフィック ファイルを指定された Virtualize Server に送信し、Virtualize Server は指定されたテンプレート ファイルを使用してトラフィックを処理した後、Data Repository にデータを追加します。
- 次に同じリクエストが受信されたとき、仮想アセットは記録されたレスポンスを返します。
設定
- 仮想アセットにフォワードするようメッセージ プロキシのプライマリ接続を設定します。
- 実サービスにフォワードするようメッセージ プロキシのセカンダリ接続を設定します。
- メッセージ プロキシの [セカンダリ接続だけを記録] および [メッセージのペアごとに新規セッション ファイル] オプションを有効化します。
- カスタム トランスポートとして File Event Listener を使用するよう仮想アセットを設定し、プロキシがトラフィック ファイルを保存するディレクトリをモニターするようリスナーを設定します。
- 仮想アセットに関連付けられた .pva に Data Learning を連結したレスポンダーを追加します。
- 最初はリクエスト/レスポンスが存在しなかったデータを Data Repository に追加するようツールを設定します。