Code Composer Studio v3.x プロジェクトをテストするためのコンフィギュレーションは、典型的なプロジェクト構成を処理できるように構成されています。しかし、実行時テストを有効にするには、プロジェクト コンフィギュレーションの変更が必要になる場合もあります。通常、以下のような変更を行います。

  • テスト フレームワークによってリソースの消費が増えるため、ヒープおよびスタックのデフォルト サイズの拡張が必要になる場合があります。  
  • テスト フレームワークによってリソースの消費が増えるため、メモリへのプログラムの配置の変更が必要になる場合があります。たとえば、C++test ランタイム ライブラリとリンクされたテスト実行可能ファイルが内部的なシグナル プロセッサ メモリに収まらず、外部 RAM に配置しなければならない場合などです。この場合、プロジェクトのリンカー スクリプトの変更が必要になります。  
  • 単体テストの実行が、元のプログラムの実行より大幅に遅いという現象が見られます。実行が遅くなる原因はいくつかあります。C++test のインストゥルメンテーションによるオーバーヘッド、ホストにテスト結果を格納するためにホスト プラットフォームへのファイル I/O 操作のチャネリングを行う TI ランタイム サポート ライブラリを使用していること、比較的低速な外部メモリでプログラムを実行していることです。インストゥルメンテーション機能を制限することで、パフォーマンスを改善することができます。[テスト コンフィギュレーション] ダイアログの [実行] タブにある [インストゥルメント モード] オプションでインストゥルメンテーション機能を制限できます。[インストゥルメントなし] 構成の場合に最も高いパフォーマンスが得られます。[インストゥルメントなし] 構成では、カバレッジの収集やスタック トレースのレポートは行われず、回帰単体テストだけが行われます。  
  • [ビルトイン] > [Embedded Systems] > [Texas Instruments] > [Run TI CCS 3.x Tests ] ビルトイン コンフィギュレーションには、C++test ランタイム ライブラリを準備するステップが組込まれています。このステップがある場合、手動で C++test ランタイム ライブラリをビルドしてリンカー フラグに追加する必要はありません。  

Code Composer 環境でのテストを容易にするために、簡単な接続用プログラムが用意されています。このプログラムは、ターゲットまたはシミュレーターへのテスト バイナリの配布および実行に役立ちます。プログラムのファイル名は CCSconnector.exe であり、次のパラメーターを受け取ります。

 

オプション

説明

--help

CCSconnector.printHelp bool
ヘルプを表示して終了

--te=string

CCSconnector.testExecutable string
必須オプション。ホスト マシン上のターゲット実行可能ファイルへのパスを指定します

--bd=string

CCSconnector.board string
テスト実行可能ファイルの実行に使用するボード名を指定。
指定されない場合は、最初に見つかったボードが使用されます。

--fc

CCSconnector.forceConnection bool
ターゲット ボードが接続されていない場合に接続を確立します。

多くの場合、テスト実行可能ファイルの実行に使用するボード名を指定する必要があります。ターゲット ボード名は、"Setup Code Composer Studio" TI ユーティリティに表示される名前を指定します。

CCSconnector ユーティリティを開始すると、すでに起動している Code Composer Studio のインスタンスに接続されるか、新しい Code Composer Studio のインスタンスが起動します。起動中の Code Composer Studio にユーザー独自の設定がある場合、--fc フラグを使用すると、接続の確立が要求されることによって、設定が失われる可能性があることに注意してください。このため、専用の Code Composer のインスタンスを起動する自動テスト セッションでだけ、--fc フラグを使用することを推奨します。

単体テスト

Code Composer Studio v3.x プロジェクトが正常にインポートされたら、次の操作を行い、テスト コンフィギュレーションを開発環境に合わせてカスタマイズします。

  1. [ビルトイン] > [Embedded Systems] > [Texas Instruments] > [Run TI CCS 3.x Tests] テスト コンフィギュレーションを複製します。  
  2. 複製されたテスト コンフィギュレーションの [実行] > [全般] タブを開きます。  
  3. [実行の詳細] エリアで、テストで使用するターゲット名に変更します。  
    • ターゲット名は、Code Composer Setup パネルに表示される名称を指定します。  
    • GEL ファイルの初期化など、ターゲットを使用できるように環境が適切に構成されている必要があることに注意してください。C++test は指定されているとおりにターゲットに接続するだけであり、その他の初期化は行いません。

カスタマイズが完了したら、コンフィギュレーションを使用してテスト ケースを実行できます。

テスト ケースのデバッグ

C++test は、この環境での直接的なテスト ケース デバッグをサポートしていません。標準の実行モジュール デバッグ手段を使用してください。

アプリケーション検証

Code Composer Studio v3.x プロジェクトが正常にインポートされたら、次の操作を行い、テスト コンフィギュレーションを開発環境に合わせてカスタマイズします。

  1. [ビルトイン] > [Embedded Systems] > [Texas Instruments] > [ Run TI CCS 3.x Application with Memory Monitoring] テスト コンフィギュレーションを複製します。  
  2. 複製されたテスト コンフィギュレーションの [実行] > [全般] タブを開きます。  
  3. [実行の詳細] エリアで、テストで使用するターゲット名に変更します。  
    • ターゲット名は、Code Composer Setup パネルに表示される名称を指定します。  
    • GEL ファイルの初期化など、ターゲットを使用できる環境が適切に構成されている必要があることに注意してください。C++test は指定されているとおりにターゲットに接続するだけであり、その他の初期化は行いません。

カスタマイズが完了したら、コンフィギュレーションを使用してアプリケーション メモリのエラー チェックを実行できます。

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