このセクションでは、ARM DS-5 を使ってコンパイル/ビルドするコードに対して実行時テストを構成する方法について説明します。

セクションの内容:

全般的な構成

DS-5 プロジェクトをテストするためのテスト コンフィギュレーションは、C++test ランタイム ライブラリを自動的にビルドするよう構成されています。C++test ランタイム ライブラリで選択されている通信チャネルは、セミホストされるファイル I/O 書き込みに基づきます。セミホストのサポートは特定のプラットフォームでは利用できません。C++test ランタイム ライブラリおよび代替通信チャネルをカスタマイズする必要があります。詳細については 「C++test ランタイム ライブラリのビルド」を参照してください。

シミュレーター (RTSM シミュレーター) または実際のハードウェアでのテスト

 C++test のテスト コンフィギュレーションは、SSH プロトコルを介してリモート実行できるシミュレーターまたは実際のハードウェアをテストするように構成されています。このテスト コン フィギュレーションは、Linux ベースのアプリケーションでテストが実行されると想定します。 ただし、Linux ではないアプリケーションまたはベア メタル アプリケーションも可能です。詳細につい てはカスタマー サポートにお問い合わせください。

ビルトイン テスト コンフィギュレーションのカスタマイズ

ARM DS-5 プロジェクトの実行時テストを実行するために用意されているテスト コンフィギュレー ション ( [ビルトイン] > [Embedded Systems] > [ARM] ) は、環境特有のカスタマイズが必要 な場合があります。よくあるカスタマイズは、テスト フロー定義プロパティを設定することです ( [ 実行] > [全般] タブの [実行の詳細] セクション)。

 次の表は、ARM DS-5 用ビルトイン テスト コンフィギュレーションのテスト フロー プロパティで す。

  • Run ARM Embedded Linux Test Executable
  • Run ARM Embedded Linux Application with Memory Monitoring
名前デフォルト値説明
ARM Linux target10.9.1.1テスト対象プロジェクトのテ ストを実行するために使用さ れるターゲットの IP アドレ ス。
ARM Linux target directory/home/userターゲット上のディレクトリ。 ここにテスト用実行モジュー ルが置かれる。
ARM Linux target user nameuserターゲットのユーザー名。

次の表は、以下の ARM DS-5 ビルトイン コンフィギュレーションのテスト フロー プロパティで す。

  • Run DS-5 Test Executable (FVP simulator)
  • Run DS-5 Application with Memory Monitoring (FVP simulator)
名前デフォルト値説明
FVP simulatorFVP_VE_Cortex-A9x1シミュレーター実行ファイル
FVP option for command line (semihosting calls/main params)-C cluster.cpu0.semihosting-cmd_line

main 関数のパラメーターを指定するシミュレーター コマンド ライン オプション (semihosing)


デフォルトのテスト実行フローでは不十分な場合 (たとえばターゲットにテスト用モジュールをダウンロードする操作を追加する必要がある場合など)、ユーザーは簡単にデフォルトのテスト フロー定義を変更できます。テスト フロー定義のカスタマイズの詳細については 「テスト実行フローのカスタマイズ」 を参照してください。

単体テスト

[Run ARM Embedded Linux Test Executable] および [Run DS-5 Test Executable (FVP simulator)] テスト コンフィギュレーションは単体テストのプロセスを容易にするために提供されています。シミュレーターまたは実際のハードウェア システムで単体テストを実行するには、次の操作を行います。

  1. テスト ケースを手動で作成するか自動生成します。  
  2. 単体テスト用のテスト コンフィギュレーションを複製します。  
  3. 複製したテスト コンフィギュレーションを必要に応じて変更します。  
  4. 目的のテスト コンテキストを選択します。  
  5. カスタマイズしたテスト コンフィギュレーションを使ってテストを実行します。  

テスト ケースのデバッグ

C++test はこの環境での直接的なテスト ケース デバッグをサポートしていません。

オリジナル/テスト対象プロジェクトに合った適切なデバッグ/起動構成を使ってテスト用実行モジュールをロードし、目的のテスト ケースに手動でブレークポイントを設定してください。

アプリケーション検証

[Run ARM Embedded Linux Application with Memory Monitoring] および [Run DS-5 Application with Memory Monitoring (FVP simulator)] テスト コンフィギュレーションは、単体テスト プロセスを容易にするために提供されています。シミュレーターまたは実際のハードウェア システムでアプリケーション検証を実行するには、次の操作を行います。

  • アプリケーション検証用のテスト コンフィギュレーションを複製します。  
  • 複製したテスト コンフィギュレーションを必要に応じて変更します。  
  • 目的のテスト コンテキストを選択します。  
  • ステップ 2 でカスタマイズしたテスト コンフィギュレーションを使ってテストを実行します。
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