このトピックでは、Parasoft Virtualize、Parasoft Data Repository、および Parasoft Continuous Testing Platform (CTP) の運用レベルのデプロイメントに関する推奨事項を説明します。

前提条件

デプロイメントには以下が含まれると仮定します。

Virtualize サーバー (war ファイルでデプロイされることが望ましい)
Parasoft Data Repository サーバー
Parasoft CTP およびサポート対象のデータベース (詳細については「CTP データベースの選択」を参照)

デプロイメントの方法

デプロイメントの方法には、動的インフラストラクチャ (Docker イメージ、Azure VM、またはAWS VM) または物理的な静的インフラストラクチャという、2 つの方法があります。

動的インフラストラクチャは、動的でディスポーザブルなテスト環境を可能にします。つまり、基準となるテンプレートからただちにテスト環境をセットアップし、環境を使用して変更した後、環境を破棄することができます。複数のチームやテストフェーズでテスト環境やリソースを共有する必要はありません。いつでも必要なときに、まさに必要な環境をただちにセットアップし、使い終わったら破棄します。動的なインフラストラクチャは、高い水準の自動化を可能にする高度な柔軟性を提供します。さらに、規模を拡大する必要がある場合 (たとえばパフォーマンステストなど) も、必要に応じて実現できます。

物理的な静的インフラストラクチャでは、恒久的な (専用の) サーバーを使用します。この方法は、長期的な規模の拡大が予想され、負荷の高い使用状況を見越してハードウェアが設計されている場合に便利です。この方法は、高い可用性とフォールトトレランスの要求に対応するために選択されます。このような要件があり、ロードバランサーの背後に Parasoft Virtualize サーバーのクラスターを構成する計画である場合、「ロードバランサーの背後での Virtualize サーバークラスタのセットアップ」の推奨事項も確認してください。

動的インフラストラクチャ (Docker、Azure、AWS) の推奨事項

動的インフラストラクチャは、Docker イメージ、Microsoft Azure VM、または Amazon Web Services (AWS) VM を使用します。
Docker の場合、以下を推奨します。

各イメージには、CTP および Virtualize サーバー (war ファイルデプロイメント) をデプロイした 1 つの Tomcat および Data Repository サーバーを含める。
最小マシンスペックは 4 コアおよび 16 GB RAM。ただし推奨は 8 コア、32 GB RAM
同一のホスト OS に 2 から 4 を超えるイメージは、リソースが競合するため (特にネットワークリソース) 推奨しない。同一のホスト OS で 4 を超えるイメージを使用すると、問題が発生した場合に原因の究明が難しくなる。

Azure の場合、以下を推奨します。

DS2_V2 以上の仮想マシンサイズ
Azure Virtual Machine for Parasoft Service Virtualization (オンデマンドまたは BYOL)

AWS の場合、以下を推奨します。

t2.medium 以上の仮想マシンサイズ

物理的な静的インフラストラクチャの推奨事項

次の図は、3 つの Virtualize サーバーと CTP をデプロイする場合の推奨アーキテクチャを表しています。右下隅の "Server n" アイコンは、(ユーザーの環境に応じて) 任意の数の追加サーバーを表すことに注意してください。

SOAtest and Virtualize with CTP 2023.2 (Japanese) > Deployment Recommendations (Virtualize + CTP + Data Repository) > Virtualize-Architecture-diagram (002).png
Virtualize、Data Repository、CTP サーバーマシンのハードウェアに対する推奨事項は以下のとおりです。

Virtualize

CPU: 8 コア
RAM: 32 GB 以上
必要なディスク容量: 300 GB 以上

データリポジトリ

CPU: 4 コア
RAM: 32 GB 以上
必要なディスク容量: 300 GB 以上

できるだけ Virtualize と Data Repository を分離してください。これは、デプロイメントの「将来の保証」のために重要です。これは、Virtualize と Data Repository が最終的にリソースの競合になる場合、不良な Data Repository が Data Repository をホストしているマシンをダウンさせる場合、または Virtualize と Data Repository が分離されているため、Data Repository の障害によって Virtualize サーバーがダウンしない場合に、特に重要になります。

CTP

CPU: 4 コア
RAM: 8 GB
必要なディスク容量: 150 GB

注意:

CTP 用のデータベースは複数のチームの成果物をバイナリとしてホストする場合があるため、かなり規模が大きくなります。
Virtualize サーバーでは、通常、ワークスペースが最もストレージの割り当てを占有します。すべての成果物およびデータ (データのスナップショットを含む) は、ソース管理システムにチェックインされる前に、ここに格納されます。
Virtualize サーバーでは、最適なパフォーマンスを実現するために、強力な馬力が必要です。
Virtualize サーバーおよび Data Repository サーバーマシンでは、RAM の量を増やすと、特に Data Repository のメモリマッピングのパフォーマンスが向上します。
Data Repository サーバーのストレージ要件を満たすことが重要です。同じサービスの複数バージョンのデータやデータベースデータを格納し、複数のチーム、複数の環境から使用できます。

オペレーティングシステム

以下の理由により、Parasoft のデプロイメントには、Windows よりも Linux を推奨します。

管理タスク (起動、再起動、ログ記録、デバッグなど) が容易。「バックグラウンドで」サービスとしてアプリケーションを実行する場合、Linux では nohup/ init.d/cron を使用できます。Windows には同等に容易なソリューションがありません。
パーミッションの管理が容易。管理グループだけがファイル (起動スクリプト、server.xml など) を参照/ 変更できるよう、サービスアカウントを作成できます。
パフォーマンスが優れている。Windows では、コア OS がパフォーマンスのかなりの部分を消費します。Linux では、マシンを骨組みだけにして Virtualize を専用のスペースで実行することができます。
ssh や scp などのツールのおかげで、自動化作業が容易。Parasoft は Linux でこれらのタスクを実行するためのパッケージやスクリプトを提供しています。

CTP データベースの選択

CTP は以下のデータベースをサポートしています。

HyperSQL (組み込み)
MariaDB
MySQL
Oracle

MySQL ではなく Oracle、MariaDB または HyperSQL を使用することを推奨します。Oracle、MariaDB、HyperSQL は、いずれも良好に動作しますが、MariaDB は組み込みの HyperSQL よりもバックアップおよび復元ワークフローが優れていることがわかっています。CTP データベースをクラスタリングする予定がなく、十分なスペースがある場合は、HyperSQL も良い選択肢です。

クラウドベースの動的な基盤のデプロイメントを開始する

Microsoft Azure や Amazon AWS などのクラウドサービスプロバイダーによって VM がクラウドにデプロイされる場合、VM をシャットダウンし再起動するたびにマシン ID が変わります。Parasoft 製品を起動するときに次のフラグを使用すると、クラウドプラットフォームで VM が再起動されたときもマシン ID が変わりません。

-Dparasoft.cloudvm=true