このセクションでは、Parasoft Virtualize を理解し作業するために不可欠な、用語や概念について説明します。セクションの内容:
ユーザーが開発やテストを担当するシステムの部分です。テスト対象システム または スコープ内システム とも呼ばれます。ユーザーとユーザーのチームはテスト対象アプリケーションに即時アクセスし、直接管理できます。
開発またはテスト タスクを完了するためにテスト対象アプリケーションがアクセスする必要がある、開発中、テスト中、稼働環境内の、既存のアプリケーションまたはコンポーネントです。スコープ外システムとも呼ばれます。依存コンポーネントには、メインフレーム、サードパーティ製アプリケーション/サービス、データベースなどが含まれる可能性があります。
これらのコンポーネントは、開発やテストの目的でアクセスすることが困難な可能性があります。または、ユーザーのテスト シナリオの設定が困難な可能性があります。これらのコンポーネントに関連する振る舞いへの、早く、より柔軟なアクセス (データやパフォーマンス プロファイルを含む) が必要なとき、 Parasoft Virtualize の「仮想アセット」でこの振る舞いを「仮想化」できます。
仮想アセットは、依存コンポーネントの振る舞い、パフォーマンス、データをシミュレートします。仮想アセットは、任意のテスト プラットフォームで手動テストまたは自動テストに用いられます。既存のコンポーネントの仮想アセットは、ライブ記録、定義ファイル、またはログ ファイルから作成できます。さらに、実装前の振る舞いの仮想アセットは、直観的なインターフェイスでモデル化できます。
詳細については「仮想アセットの操作」を参照してください。
テスト対象アプリケーションと依存コンポーネントの中間者として動作します。プロキシは通過するトラフィックを記録できるので、関連する振る舞いを仮想化できます。また、トラフィックが仮想アセットを経由するか実際のコンポーネントを経由するかを管理するために使用できます。テスト対象アプリケーションがプロキシと通信するように設定されたら、 記録を有効/無効にしたり、トラフィックのルートを仮想アセットや実アセットへ切り替えたりするために、テスト対象アプリケーションを再設定する必要はありません。これらの設定はプロキシの設定を修正するだけで可能です。
詳細については、「メッセージ プロキシの設定」を参照してください。
メッセージ プロキシと似ていますが、データベースのクエリーと結果に影響します。Parasoft JDBC ドライバーが設定され、テスト対象アプリケーションが Parasoft JDBC ドライバーと通信するよう設定されると、[Virtualize サーバー] ビューの JDBC コントローラーまたは Parasoft CTP を使用してモード (パススルー、記録、仮想化、ハイブリッド) を切り替えることができます。アプリケーション サーバーの再起動は必要ありません。
詳細については、「Parasoft JDBC ドライバーの使用」を参照してください。
トラフィックのキャプチャ、仮想アセットの作成/モデル化/デプロイ、および Parasoft Virtualize サーバーのリモート管理に使用するインターフェイスです。
詳細については、「Virtualize の GUI」を参照してください。
仮想アセット、プロキシ、セットアップ アクションがデプロイされホストされる Virtualize インストール (サーバー ライセンス) です。Virtualize サーバーは Virtualize デスクトップで管理できます。
推奨されるワークフローは、まず新規作成した仮想アセットを「ステージング」リモート サーバーにデプロイして期待どおりに動作することを確認し、振る舞いを微調整します。次に、仮想アセットが適切に動作したら、集中的なチーム間アクセスのために「本番」Virtualize サーバーに移動させます。
注意: Virtualize サーバーの使用にはサーバー ライセンスが必要です。
詳細については「仮想アセットのデプロイ」を参照してください。
Parasoft Continuous Testing Platform (CTP) は、テスト環境で仮想アセットを選択しアクセスするための Web インターフェイスを、開発者とテスト担当者に提供します。チーム メンバーは、実アセットと仮想アセットのさまざまな組み合わせ (さまざまなパフォーマンス プロファイル、データ セットなどで異なるステータスに設定) を含むことができる、事前に設定されたテスト環境のレビューや供給ができます。Virtualize 管理者は、どの環境がそれぞれのユーザーに利用可能か、どの設定とオプションを各環境が提供するかを決定できます。
注意: CTP は Parasoft Virtualize とは別にインストールします。 詳細については、「Parasoft Continuous Testing Platform (CTP)」を参照してください。
レスポンダーは、与えられた着信リクエストにどのレスポンスが送信されるべきかを指定するツールです。各レスポンダーは、応答条件に一致する着信リクエストのメッセージにレスポンスします (詳細については、 「 メッセージ応答プロセスの理解」を参照してください)。レスポンスは、単一の固定メッセージからデータ ソースを使用したパラメータライズされた動的メッセージまで、さまざまなモードに設定できます。固有のストラテジ、データ セット、メッセージ構造を持つ複数のレスポンダーを設定できます。メッセージ レスポンダーはプロトコルに依存しません。レスポンダーにアクセスするトランスポート プロトコルや API は、関連する仮想アセットのデプロイメント設定で定義されます。メッセージ レスポンダーは、レスポンスする着信メッセージに一致し、SQL レスポンダーは、SQL クエリーの ResultSet に一致します。
詳細については「仮想アセットの操作」を参照してください。
データ ソースは、レスポンス メッセージやその他のツールの値にデータ投入するために使用するデータのセットです。データ ソースは、 CSV、 Excel、リレーショナル データベース、ディスク上のファイル、プロジェクト内のスプレッドシート、そして Parasoft のデータ リポジトリを含むことができます。
詳細については「データ ソース値、変数、および抽出した値でツールをパラメータライズ」を参照してください。
データ グループは、データ ソースの特別な型です。データ グループで類似するデータのセットをグループ化することができます (開発環境テスト データと負荷/パフォーマンス テスト データなど)。そして、ツールの設定やデータ ソースを編集する必要なく、使用するデータ セットをいつでも簡単に切り替えることができます。データ グループを使用するには、データ ソースと共通列でグループを作ります。そして、特定の時間にどのデータ ソースが仮想アセットに適用されるべきかを指定できます。データ グループは Virtualize デスクトップから設定できます。 詳細については「データ グループの使用」を参照してください。
パフォーマンス プロファイルは、開発者、 QA 担当者、またはパフォーマンス エンジニアに、依存するシステム パフォーマンスの特性を迅速に設定するための柔軟性を提供します。この設定は、次々に実行されるパフォーマンス テスト シナリオの配列を可能にします。それぞれの仮想アセットのパフォーマンスは、依存アプリケーションの実際のパフォーマンスを反映するように、またはテストしたい特定のパフォーマンス モデルをエミュレートするように設定できます。パフォーマンス プロファイルは Virtualize デスクトップから設定できます。
詳細については「パフォーマンス プロファイルの使用」を参照してください。
レスポンダー スイートは、レスポンダー、複数のレスポンダーに適用可能な変数、データ ソース、パフォーマンス プロファイル、そして .pva ファイル内のその他のアセットをグループに分け、構成するために使用されます。
詳細については「プロジェクト、 仮想アセット、レスポンダー スイートの追加」を参照してください。
.pva ファイルは、 1 つ以上のネスト化したレスポンダー スイートを含めることができます。Virtualize サーバー上でデプロイされた .pva は、仮想アセットとみなされます。
詳細については、「プロジェクト、 仮想アセット、レスポンダー スイートの追加」を参照してください。
プロジェクトは Virtualize 固有の .pva ファイルをいくらでも含めることができます。Virtualize で使用したいソース ファイル (例: Excel データ ソース)、そしてその他の任意の環境に適したリソースを含めることができます。
詳細については、「プロジェクト、 仮想アセット、レスポンダー スイートの追加」を参照してください。
データ リポジトリは、Parasoft メッセージング ツールで使用する大規模あるいは階層的なデータ セットを、チームが定義、拡張、レビューするのに役立ちます。データ リポジトリ サーバー上にリポジトリが確立されたら、既存のデータ ソースからデータ投入したり、手動で更新したりできます。階層データのグラフィカルな表現をとおして、ユーザーはリポジトリの構成やコンテンツの参照や拡張ができます。データ再利用のレベルが高い大規模なデータ セットの編集と管理を容易にするために、 1 つのデータ セットの記録はその他のデータ セットで参照できます。
詳細については、「大規模な階層データ セットの操作」を参照してください。
Virtualize サーバーのイベントの詳細 (受信したリクエスト メッセージ、送信したレスポンス メッセージ、エラーなど) を提供します。テスト対象アプリケーションの振る舞いをモニタリングし、予期しない振る舞いが発生したときに診断して、長時間実行するトランザクションをより理解するのに役立ちます。
詳細については「サーバーイベントの可視化」を参照してください。
JMS ブローカーに接続して、ブローカーによって提供されるキューのリストを取得し、各キューの現在のメッセージを確認することが可能です。また、キュー ブラウザーでキューのメッセージを削除することも可能です。
詳細については「キューのブラウズ」を参照してください。
急速に進化するサービスや環境条件に対応するために、迅速、簡単、正確に仮想アセットを更新する方法を用意することが重要です。変更アドバイザーは、既存の仮想アセットへの変更影響を評価し、識別された変更の影響に応じて迅速に既存のアセットを更新 (または新しいアセットを作成) します。これはサービスや環境条件の変更に応じてアセットを変更するのに必要な時間を大幅に削減します。
詳細については、「変更管理」を参照してください。
メッセージ プロキシをデプロイしたくない場合、プロキシのトラフィック記録機能はその場でトラフィックを記録できます。メッセージ プロキシのように、これらのプロキシは複数のエンドポイントを通過するライブ トラフィックを同時にキャプチャできます。
詳細については、「トラフィックの記録」を参照してください。
環境は、 Virtualize レスポンダー スイートで参照できる変数の集合です。環境を使用して、エンドポイント、ユーザー名とパスワードといった接続のプロパティ、データベースのテーブル名などの変数を定義できます。そして、特定の環境にどの変数の値が適用されるべきかを指定します。レスポンダーや関連ツールでハード コーディングされた値を指定する代わりに環境変数を使用することで、すぐにスイッチを入れ、異なる環境 (例: 開発、テスト、 UAT、プレ本番環境) で使用するために再構成できます。
詳細については「Virtualize 環境の構成」を参照してください。
セットアップ アクションは、ユーザー環境への構成の適用を自動化するために使用できます。たとえば、特定の環境設定を変更するためにスクリプトを実行し、 FTP を介して設定ファイルを更新するかもしれません。または、テストのために実行中のデータベースを初期化するかもしれません。
セットアップ アクションは、アクション スイートを含むセットアップ (.pvn) ファイルで定義されます。.pvn ファイルとアクション スイートの構成や管理は、 .pva ファイルとレスポンダー スイートの構成および管理に似ています。各プロジェクトは複数の .pvn/.pva ファイルを含むことができます。各 .pvn/.pva ファイルは任意の数のアクション スイートまたはレスポンダー スイートを含むことができます。追加したデータ ソースを使用してツールをパラメータライズできます。ツールを出力として追加することができます。
詳細については、「セットアップ アクションの定義」を参照してください。
各チーム メンバーが担当する、仮想アセット、プロキシ、および関連アセット (例: データ セット) の作成、更新、管理は、 Virtualize デスクトップを使用して実行します。
開発者、テスト担当者、パフォーマンス テスト エンジニアは、特定のシナリオに必要な状態に設定した依存コンポーネントと、開発/テスト 環境を参照したり構成したりするために CTP のグラフィカルな Web GUI を使用できます。
たとえば機能テスト担当者は、テストのために初期化された「実行中のデータベースがある環境」、同様に、ネガティブ テストのために設定された「仮想アセットが表現するメインフレームやサード パーティ製のサービス」 に対してテストを実行したいかもしれません。同時に、パフォーマンス テスト エンジニアは、ピーク時のトラフィック条件をシミュレートするすべての依存コンポーネントに対して 1 つのシナリオを実行し、平均的なパフォーマンス条件をシミュレートする環境に対してもう 1 つのシナリオを実行したいかもしれません。